弁護士報酬について

はじめに
 弁護士報酬は、依頼を受けたときに頂戴する「着手金」と、事件終了後に頂戴する「報酬金」の方式を用いることが多いですが、次に述べるように、複数の種類があります。
どの種類の弁護士報酬をいくら頂戴するかは、ご依頼を受ける際にご説明し、納得いただいた上で契約を行います。いくら弁護士報酬がかかるか不透明な状態で事件を進めていくことはまずありませんので、ご安心下さい。
また、事件をご依頼いただいた後は、その事件に関するご相談に費用がかかることはありません。
弁護士報酬の種類
 「着手金」「報酬金」方式について、「着手金」は、請求によって依頼者が得ようとする成果を金銭的に評価して、その何パーセントという計算により決定します。
一方、「報酬金」は、事件処理の結果、依頼者が得た成果を金銭的に評価して、その何パーセントという計算により決定します。ですので、着手金の場合と異なり、全面敗訴した場合のように、成果がゼロとなってしまうと、「報酬金」は発生しません。
「手数料」方式は、ご依頼の内容が、原則1回程度の事務的な手続きを行うことで終了するような場合に用いることがあります。
「日当」は、「着手金」「報酬金」方式の場合でも「手数料」方式の場合でも、遠方への出張を要する場合に、別途、「日当」を頂戴する方式です。
「タイム・チャージ」方式は、どの程度手数がかかるかを事前に見通すことが困難な事件などで、1時間あたりの費用を決め、かかった時間に応じて費用を頂戴する内容です。例えば、「着手金」・「報酬金」方式でご依頼を受けた場合は、下の図のようになります。
弁護士報酬の目安
 当事務所の弁護士報酬は、(旧)日本弁護士連合会報酬等基準に準じています。
もっとも、事件の内容によっては、基準を形式的にあてはめると高額になりすぎる場合があります。この場合には、事件の難度を考慮し、依頼者と協議の上、妥当な金額に調整いたします。例えば、着手金のご負担がご依頼の障害になることのないように、着手金を抑えて、代わりに報酬金の割合を多くするというような調整を行うこともあります。
また、ご加入中の自動車保険(任意保険)に、弁護士費用特約が付保されていることが多くなっています。この場合の弁護士費用は、保険の限度額まで保険会社から支払われることになり、原則、弁護士費用は保険会社が負担することになります。ご自身の保険に弁護士費用特約が付保されていない場合であっても、ご家族や同乗者の加入している自動車保険の弁護士費用特約を利用できることもあります。弁護士費用特約を利用した場合であっても、一般に、等級が変化し、保険料が上がるということもありませんので、便利です。保険会社に問い合わせるなどして、保険の内容をご確認いただければと思います。
以下は、当事務所の弁護士報酬基準を一部抜粋したものになります(全て税込価格表示)。

遺産相続

弁護士費用の例
遺産分割協議の代理
着手金
代理交渉 22万円~
調停 33万円~
審判 44万円~
報酬金 300万円以下 17.6%
300万円を超え3,000万円 11%
3,000万円を超え3億円 6.6%
3億円を超える 4.4%
  • ※交渉から調停・審判に移行した場合には、差額の費用分のみを頂戴します。
  • ※遺産分割事件に付随して、訴訟提起が必要となった際は(遺産確認訴訟、遺言無効確認訴訟、不当利得返還請求訴訟など)、別途弁護士費用が必要になりますので、その都度協議いたします。
相続放棄手続

6万6000円~8万8000円

  • ※同一の被相続人について放棄する相続人が複数いる場合、追加1名当り2万2000円。
各種相続手続(相続関係図、財産目録の作成など)

相続人の人数や、調査を行う財産の数によって金額を調整いたしますので、お尋ねください。

交通事故

弁護士費用の例
経済的利益 着手金 報酬金
金300万円以下 8.8% 17.6%
金300万円を超え
金3000万円以下
5.5%+9万9000円 11%+19万8000円
金3000万円を超え
金3億円以下の場合
3.3%+75万9000円 6.6%+151万8000円
  • ※着手金の最低額は、11万円です。
  • ※上記は、弁護士費用特約に加入されておられる場合になります。弁護士費用特約に加入されていない場合、事件の内容によっては、着手時には最低限の実費(終結後精算)のみをいただき、通常の報酬金額よりも報酬割合を増額する方法も可能になります。

離婚・男女問題

弁護士費用の例
着手金及び報酬金
離婚調停事件または離婚交渉事件 22万円~
離婚訴訟事件 33万円~
  • ※財産分与・慰謝料などを請求する場合や、親権が争われる場合は、別途費用が必要になります。詳細な弁護士費用につきましては、ご依頼時にご説明させていただきます。
  • ※離婚調停・交渉から依頼を受け、訴訟に移行する場合は、差額分の費用のみいただきます。

労働事件

弁護士費用の例
手続の種類 着手金 報酬金
示談交渉 11万円~15万5000円 16.5~24.2%
(事件の種類や
着手金の支払方法
によって
調整いたします。)
労働審判 16万5000円~22万円
通常訴訟 33万円~
労災申請 33万円~
証拠保全 22万円~33万円
  • ※手続きを移行した場合の追加着手金は,原則差額分のみをいただきます。

債務整理

弁護士費用の例
破産手続
着手金
(個人)22万円~
債権者数、管財事件等の事情で調整いたします。
(法人代表者)44万円~
(法人)55万円~
報酬金 原則としていただきません。
特別に困難な事情がある場合、過払金があるなどの場合には個別に検討します。
  • ※申立ての際の収入印紙代、郵券などの実費は別途かかります。
  • ※管財事件になった場合には、予納金が別途かかります。
個人再生
着手金
33万円~
報酬金 原則としていただきません。
特別に困難な事情がある、過払いがあるなどの場合には個別に検討します。
  • ※別途再生委員が選任された場合にはその報酬の負担があります。
  • ※申し立ての際の収入印紙代、郵券などの実費は別途かかります。

刑事事件

弁護士費用の例
事案が簡明な事件
刑事事件の内容 着手金 結果 報酬金
起訴前 220,000円以上 330,000円以下 不起訴 220,000円以上 330,000円以下
求略式命令 上記の額を超えない額
起訴後 220,000円以上 330,000円以下 刑の執行猶予 220,000円以上 330,000円以下
求刑された刑が減刑 上記の額を超えない額
上記事件以外の困難な事件
刑事事件の内容 着手金 結果 報酬金
起訴前 330,000円以上 不起訴 330,000円以上
求略式命令 330,000円以上
起訴後 330,000円以上 無罪 550,000円以上
刑の執行猶予 330,000円以上
求刑された刑が減刑 軽減の程度による相当額
検察官上訴が棄却 330,000円以上
  • ※被疑者段階の着手金については、接見費用・日当(但し,多数回の接見の場合は日当を頂くことがあります。)、身柄解放のための活動 (勾留阻止,勾留延長阻止, 接見禁止解除, 勾留執行停止, 観護措置阻止)、示談交渉の活動が含まれています。
  • ※被告人段階の着手金については、接見費用・日当(但し,多数回の接見の場合は日当を頂くことがあります。)身柄解放のための活動 (接見禁止解除, 保釈, 勾留執行停止 )、示談交渉のための活動、公判費用・日当(但し,遠方の裁判所の場合は、日当を頂くことがあります。)が含まれています。
  • ※事案簡明な事件とは、特段の事件の複雑さ、困難さ又は繁雑さが予想されず、委任事務処理に特段の労力又は時間を要しないと見込まれる事件であって、起訴前については事実関係に争いが無い情状事件、起訴後については公判開始から公判終結までの公判開延日数が2ないし3開廷程度と見込まれる事実関係に争いが無い情状事件(上告事件を除く)を言います。
  • ※裁判員裁判の場合は、別途お問合せ下さい。

高齢者の支援

弁護士費用の例
遺言の作成を行う場合 定形の場合、11万円~22万円が基本となります。
成年後見申立を行う場合 11万円が基本となります。
ホームロイヤー契約(見守り契約) 月5500円~3万3000円になります。 ※訪問の有無、相談回数によって費用が変わります。
実費について
 弁護士に依頼をされる場合,弁護士報酬以外にも,実費が必要になります。実費は、例えば事件処理のために必要となる収入印紙代、郵便切手代、交通費、記録の謄写費用などがこれにあたります。弊所では、ご依頼いただく際、あらかじめ見込まれる実費についてご説明し、実費相当額(予納預り金)をお預けいただくことにしています。不足が生じた場合は、改めてご説明の上、追加で予納いただく場合がございますが、事件が解決した時点で余ったお金がある場合、実際に要した費用を差し引いてご返金いたします。弁護士報酬と実費の関係を図にすると次のとおりです。
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